東京出張が続いた時に短く読める本を消化した記録。(正確にはAudibleで聴いた)
すべて真夜中の恋人たち/川上未映子
この作品がなんかすごい賞の候補に日本人作品として初めてノミネートされたというので気になって読んでみようと思ったのだが…
最初は主人公の冬子の挙動にイライラしっぱなしで何度も読むのやめよかな?!と思ったけど、不思議と続きが気になり引き込まれていった。
聖の言動ははっきりしすぎるけど最後恋をして珍しく感情的になった冬子と衝突した結果仲良くなれたの良かったし、作品の最後でシングルマザーを選ぶ聖が母親と絶縁状態なのも分かる〜と思った。
たぶん冬子が真面目過ぎてイライラするんだな。でも日本てこんな人ばっかりなんだろうな。こういう性質だとそりゃ生きづらかろうに…
エゴイスト/高山真
エゴイストってタイトルなのに、著者始めこの本に登場する人はみなひたすら大切な人のことを痛々しいくらい思いやる人達だった。
物語に占める母親の存在感がすごいなと思った。
男女の子どもを育てている今も時々思うけど、男の子にとっての母親の存在感と、女の子にとっての母親の存在感ってやはり全然違うよなぁと思うなどした。息子の重荷にはなるまい、娘に呪いをかけるまい…。母親にとって子どもがLGBTQかどうかなんてどうでも良くて、子どもに大切な人がいて幸せにしている、望むことはそれだけだよなぁ。そのためには同性であっても結婚で得られる権利を受けられること、絶対に必要なことだと思った。社会が変わってしまうなんて言ってる場合じゃなくて、早く変えないと。そのせいで生きづらい人をなくすために一刻も早く。
この3人の絆に泣かされた。Audible聴いてて初めて泣いた。たぶん映画見ても泣く。
高山真氏はエゴイストなんかじゃなく愛情に溢れた人だ。読んで良かった。